旧車ならではの構造 トランスミッション

現在の車のトランスミッションといえば、ほとんどのものがCVTで、その次に多いのがオートマチックトランスミッション、そしてわずかに残っているのがマニュアルトランスミッションという状態ですが、旧車と呼ばれることが多い年代の車では、現在ではかなり数が少なくなっているマニュアルトランスミッションが主流でした。

マニュアルトランスミッションはエンジンの動力を伝えるクラッチと変速を行うギヤボックスの2つのもので構成されます。
クラッチは乾式単板と呼ばれるエンジン側とギヤボックス側につけられた円盤をくっつけたり離したりして動力の伝達、切断を行うのが一般的で古いものではワイヤーやリンクで、比較的新しいものは油圧でクラッチペダルとつながっています。
一方ギヤボックスは、複数のギヤを横にスライドさせて様々なギヤ比を生み出し、それによって変速を行うようになっており、古くから4速から5速変速といったものがよく使われてきました。

現在のマニュアルトランスミッションと比べるとやはり操作性はあまりよくなく、シンクロが入っていないものでは変速すらままならないこともよくあり、ギヤチェンジ1つとってもドライバーのテクニックが必要とされていました。
一方、マニュアルトランスミッションの代わりとして発展してきたオートマチックトランスミッションですが、このトランスミッションも大きな進化を遂げました。

オートマチックトランスミッションは、クラッチの代わりにトルクコンバーターを持ち、ギヤボックスもほとんどのものが遊星ギヤを使ったもので、マニュアルトランスミッションよりもコンパクトに作ることができます。
変速そのものは旧車では油圧制御によって行われるものが多く、変速段数も2段変速とか3段変速などといったように現在のオートマチックトランスミッションよりかなり少ないものを持っていました。

実はこの部分がオートマチックトランスミッションが使われ始めた当初の欠点の一つであり、要するに段数が少ない分エンジンを低回転から高回転まで使う必要があり、その分燃費が悪くなってしまうのです。
燃費が悪くなるといえばクラッチ代わりとして使われているトルクコンバーターにも原因があります。

トルクコンバーターはエンジン側につけられた羽根がATフルードというオイルを掻きまわし、そのオイルの流れに同調してギヤボックス側の羽が回転することによって動力を伝達する装置で、エンジンとギヤボックス側は決して結合されているわけではなく、常に切り離されている状態になっています。
しかし、それではあまりにもロスが大きいということでエンジン側、ギヤボックス側の回転数に回転差が少なくなった時に直結状態にするロックアップ機構というものが付けられるようになり、パワーのロスを極力減らすことができるようになりました。
オートマチックトランスミッションが採用されるようになった当時のトルクコンバーターは残念ながらロックアップ機構はつけられておらず、エンジンからの回転数とギヤボックス側の回転数が同じになることは稀でした。
いわゆる滑っている状態で常に走っているようで滑っている分エンジンのパワーがちゃんと伝わらずその分燃費が悪くなってしまうことが多くありました。

当時の方は「燃費が悪いからオートマチックトランスミッションは買わない」なんてことをよく言っていたものでした。
当時のオートマチックトランスミッションはとにかく滑りました、まるで当初のCVTのようにアクセルペダルを踏んでもエンジン回転数ばかりが上がって車が前に進んでいかないといった感覚にとらわれます。
はっきり言って性能は最悪で、そのせいか旧車でオートマチックトランスミッションをあえて選ぶ人はほとんどいません。
旧車といえば重たいクラッチペダルに入りの悪いマニュアルトランスミッションというのが定番ですので、旧車に乗るにはAT限定免許ではいけません。

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