旧車ならではの構造 4WDシステム

旧車に乗ろうとしている方で四輪駆動システムを持つ車に乗る方はかなり少ないでしょう。
人気のある旧車のほとんどがスポーツモデルや4ドアセダンで駆動方式はFRというのが一般的で4WDモデルを購入するというのはそれこそ70系以前のランドクルーザーやスズキのジムニーぐらいでしょう。
ただ、1980年代中盤ごろから一般の乗用車にも4WDモデルが作られるようになってからは、「オフロード=4WD」ということだけではなく、生活のための4WD、走るための4WDという考え方も出てくるようになりました。

オフロードのための4WDモデルとして作られているランドクルーザーやジムニーはオフロードを走るための4WDシステムというものが付けられていました。

それが今でいうところのパートタイム4WDというもので、トランスミッションから伸ばされたプロペラシャフトがリヤデファレンシャルギヤにつながるのではなく、その途中にあるトランスファーというギヤボックスに繋がり、そこから前後のデファレンシャルギヤにプロペラシャフトが延びて前後のタイヤを回転させるという仕組みになっています。

途中にあるトランスファーには前輪への駆動力を切り替える構造と全体のギヤ比を変更する2つの構造が入れられています。

舗装路などでは前輪への駆動力が必要ないため、後輪だけに駆動力を伝える形にし、スリッピーなオフロードでは前輪に駆動力を伝える形にします。
それから更に大きな駆動力が必要な場合はトランスファーのギヤ比を落とし、強烈なトラクションを作ることができます。

これはパートタイム4WDというものですが、このシステムには前後のタイヤの回転差によって生まれるブレーキング現象を防ぐことができず、路面にあわせてトランスファーを切り替えなければならないという欠点があります。
しかし、ある一つの装置が開発されたことで煩わしいトランスファー操作や知識などがなくても4WDモデルに乗ることができるようになったのです。
それがビスカスカップリングです。

ビスカスカップリングというものはインプット側に結合された円盤とアウトプット側に結合された円盤が交互におかれる仕組みになっており、そのケース内には特別なオイルが封入されています。
インプット側の円盤が回転するとオイルの流れによってアウトプット側の円盤が回ろうとします。

そして更にインプット側の円盤が強く回るとオイルの流れが強くなり、更にオイルが熱によって膨張し、その膨張力によって円盤同士が押し付けあうため、なかばインプット側とアウトプット側が直結したような形になります。

こういった性質のものをトランスファーの代わりにセンターデフとして置くことによって、必要な時だけ、要するにインプット側とアウトプット側の回転差が大きくなった時だけ四輪駆動とすることができ、ビスカスカップリング自体が滑りを発生することができるため、それによってブレーキング現象を起こさないでそのまま走ることができるのです。

これが現在のフルタイム4WDの元祖といわれるもので1987年に発売された日産のパルサーに搭載されました。
この時から4WDシステムは今まであったオフロードのためのパートタイム4WDからオンロードでも使えるフルタイム4WDに移り変わることになったのです。

現在では電子制御式のセンターデフなどの開発によってビスカスカップリング自体もあまり使われなくなりましたが、軽自動車やコンパクトカーなどに用意される生活四駆モデルには今でも使われています。
ただ、フルタイム4WDは、構造上それがスポーツ4WDや生活4WDであってもパートタイム4WDのトラクション性能にはかないませんので、オフロード向けの車には今でもパートタイム4WDが使われています。
旧車で4WDというときっとこのパートタイム4WDかビスカスカップリング自体のフルタイム4WDでしょう。

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